転職や就職活動中、絶対に避けて通れない応募種類がこの履歴書。近年では、パソコンやインターネットの普及により、エクセルやPDFファイルといったデジタルデータでも提出可能という企業も増えておりますが、記入方法は手書きの時と同じ要領です。ここでは、手書き履歴書の書き方について、アドバイスします。また、転職するのが初めての方や、久しぶりに履歴書を書く方などのために、記入から提出(郵送)するまでを手順に沿ってご紹介します。
履歴書を記入する前に、まずは市販されている履歴書を購入することからはじまります。市販されている履歴書には、転職者用やアルバイト・パート用、新卒者用といった様々なものがあります。また、履歴書にも様々な様式のものがあり、例えば、アルバイト用には「家族欄」があったり、転職者用には「趣味・特技欄」がなかったりと、目的別・用途別に応じて選ぶことが必要になります。
学校の購買などで販売されている無難なものを選びましょう。
すでに学校を卒業しているので、「得意な学科欄」などがなく、「志望動機欄」が広めのものを選び、たくさんアピールできるようにしましょう。なお、既婚者の場合は「家族欄」が必須となりますので、「志望動機欄」とバランスの取れたものを選びましょう。
単発的なものや高収入だけが魅力とされるアルバイトを希望する場合など、「志望動機欄」に困ってしまいそうな方には、「趣味・特技欄」が広いものや「家族欄」のあるものを選ぶのもいいでしょう。逆に、「なにがなんでも採用されたい!」と考えている方には、転職者向けの履歴書と同様、「志望動機欄」の広いものを選んで、アピールできそうなことをたくさん書くこともいいでしょう。
履歴書を購入する際は、品数が豊富な大きめの文房具屋に行き、実際に手にとって見て、自分に合ったものを選んだ方がいいでしょう。コンビニなどでは品数が少なく、また、履歴書を入れる(持参する)ための白い大きい封筒もまず置いていないためです。最近では、封筒が付属しているものも販売していますが、たいていが1枚〜数枚程度しか入っていない場合が多く、封筒の書き損じ用のためにも、双方多めに用意しておきましょう。
修正液は使わない履歴書を書く際、絶対にタブーとされているのがこの修正液です。これも誠意を伝えるための一つと思って、間違えても修正液を使わず書き直すように心がけましょう。
氏名・住所の次に記入するのがこの学歴欄です。大学名を記入する際は、国立・公立・私立の区別は必要ありませんが、小学校・中学校・高校名では、公立か私立の区別がつくように「東京都○○区立」や「学校法人△△」を各学校の先頭につけましょう。
なお、高校からは義務教育ではないため、入学と卒業の両方を記入する必要があります。また、大学や短大、専門学校などを卒業した方は、高校から書くことが多いようですが、履歴書に書く学歴欄はできるだけ小学校から記入することをお勧めしてます。高校卒業の方は、小学校卒業、中学校卒業、高校入学、高校卒業と順番に記入しますが、同じように小学校から記入するのもユニークな履歴書といえます。これにより、故郷や地元の話題で会話が弾んだり、面接官や採用担当者との故郷が近い場合などは親近感が沸いてくる可能性があります。
資格欄といっても、取得した資格を羅列する目的ではないので安心してください。現在は取得していなくても、学習している事実があれば「現在受講中」とただし書きをしたり、就職活動中に受験した資格なども、自己採点で合格であれば「合格見込み」または「自己採点合格」といったように、目標としている資格やいずれ取得しているであろう資格も書くことがきます。取得している資格が少ない、あるいは持っていない方でも、目標や学習意欲があれば、この資格欄で積極性をアピールできたり、好印象を待たれる可能性があります。
趣味・特技欄は、趣味の傾向や休日をどう過ごしているかなど、あなたの日常の生活における人間性を伝えるための欄です。また、面接時においては、趣味やスポーツの話題などはその場の雰囲気をリラックスさせるためにも役立ちます。
よって、単に趣味が○○、スポーツが△△、などではあまりにもそっけない印象を持たれてしまいます。例えば、趣味が読書であるとしたら「推理小説ばかり読んでいます」のように、音楽鑑賞であれば「クラシック中心で、モーツァルトをよく聴きます」のように、サッカーであれば「草サッカーチームに所属していて、月に一回は試合をします」など、趣味やスポーツに親しんでいる状況が具体的に伝わるようにしましょう。
志望動機欄で悩んでしまう人の多くは、応募する会社についての情報が少ないことが原因のようです。志望動機欄を埋めるコツは、その会社のことをもっと知ることが大切です。
企業を調べることにより、どんな事業をしてどんな製品を取り扱っているのか、今後はどんな事業展開を図っていくのかなど、色々な角度から調べていけば、自ずとその企業の魅力を感じ、自然と志望動機が浮かび上がってくるものです。
職歴=職務経歴のことですが、学生であれば「なし」と記入して構いません。しかし、在学中にしたアルバイトで、受ける会社にとって有利となりそうな場合は、この職歴欄に記入してしまうのも一つの手でしょう。転職者の方は、学歴よりも職歴が最重要視されますので、履歴書とは別に職務経歴書を用意し、今まで行ってきた業務内容や得意分野の作業などを記入しましょう。
未婚の妻と子供がいるといった特殊な事情をお持ちの方は、「扶養家族数」に配偶者を除く人数を記入することができます。それは、籍を入れて(結婚して)いなくても同棲していれば配偶者として見なされるからです。
また、子供のいる主婦がお勤めに出る場合、夫の収入で家族を養っているのであれば、扶養家族数「0」人、配偶者「有」、配偶者の扶養義務「無」に○を付けます。万が一、事情により夫が無職だったり、夫が専業主夫であるのでしたら、「扶養家族数」に配偶者を除いた子供の数、つまり夫を除いた子供の数と、配偶者「有」、配偶者の扶養義務「有」に○を付けます。例えば、妻(配偶者)、子供二人、義父・義母(共に定年で無職)であれば4人と記入し、配偶者は「有」に○、配偶者の扶養義務に「有」または「無」に○を付けます。
何故あいまいかというと、「配偶者の扶養義務」は法律上の原則ではなく、現実に妻に収入が無く(無職)、扶養を必要としているのか、それともそうではないのかを尋ねているからです。
履歴書に貼る写真にも、マナーやルールが存在します。せっかく苦労して記入した履歴書が台無しにならないよう、履歴書が引き立つよう、下記の点に注意して写真を貼りましょう。
写真のタブーアルバイトの面接などで、スナップ写真の切り抜きやプリクラのシールを貼ってくる人が実際にいるようです。これらは、まず採用されることはないので注意しましょう。
チェックポイント01 スーツを着用して撮影する アルバイト・パートなどを除いて、履歴書に貼る写真はスーツを着用して撮影したものが原則です。「スーツを着て履歴書の写真を撮りに行くのが恥ずかしい…」という方は、上半身だけスーツを着てその上にコートやジャケットなどを羽織って出かけるのもいいでしょう。また、パソコンの取り扱いに自信のある方は、デジカメを使って自宅でキレイに撮影し、プリントアウトする方法もあります。
チェックポイント02 3分間写真は使わない いわゆる「3分間写真」などで撮る人も多いようですが、それらで撮影したものですと、実際の顔とだいぶ変わって見える場合が多いので、写真屋で撮ることをお勧めします(アルバイト・パートなどを除く)。料金も1,000円程度ですし、3分間写真とは比べ物にならないくらいキレイに撮れ、場合によっては修正加工も施してくれます。
チェックポイント03 カラー写真か白黒写真か 近年では、カラー写真が主流となっていますので、カラーでも白黒でもどちらでも構いません。(年配受けを考慮してか、あえて白黒写真で撮る人もいるようですが…。)
チェックポイント04 裏面に氏名と住所を記入する 万が一剥がれてしまった時のことを考えて、写真の裏面に氏名と住所を記入することをお勧めします。学生の場合は、氏名、学校名、学部、受験者番号を記入しておくといいでしょう。
チェックポイント01 顔写真が見えるように入れる 郵送の場合でも持参の場合でも、履歴書を封筒に入れる際は、顔写真が表、つまり封筒を開けた時に「履歴書」という見出しが見えるように心がけましょう。これは、「請求書」などの会社書類を送る際のビジネスマナーを応用したものです。
チェックポイント02 送付状を同封しよう 郵送の場合、「送付状」または「お礼状」と呼ばれる挨拶文を同封することをお勧めします。これらを同封することにより、格段に印象が良くなる場合が多いので、積極的に書くようにしましょう。
チェックポイント03 大きい封筒に入れる 履歴書持参の場合、折らなくてもいいように必ず大きい封筒(白色)に入れましょう。また、郵送の場合でも、特に指定がない場合は大きい封筒を使用しても構いません。
せっかく苦労して記入した履歴書が台無しにならないよう、下記の点に注意しましょう。